ホンダ、ニュル北コースで7分50秒63をマークしたFF最速モデル「シビック TYPE-R」がデビュー

 本田技研工業は、ジュネーブモーターショーで市販モデルとなるシビック TYPE-Rのワールドプレミアを行った。

 今回のジュネーブモーターショーの国産メーカーから出展されるモデルとしてはもっとも注目を浴びる存在ということで、各国から多くの報道陣がプレスカンファレンスに駆けつけた。プレスカンファレンスの前日に行われたプレビューナイトで、実車のシビック TYPE-Rは一足早く公開されていたのだが、開発当初から公言していたニュルブルクリンク最速のFFを目指すという証のタイムについてはプレスカンファレンスでの公表となった。

 注目のニュルブルクリンク北コースのラップタイムは7分50秒63で、ライバルとなるルノー「メガーヌRS」やセアト「レオンクプラ」がマークしているタイムを大幅に上回ることに成功した。

 シビック TYPE-Rのベースとなるのは、2012年から欧州で販売されている9代目シビックとなるが、シャシーの鋼材、スポットの数などはTYPE-R専用となっているため、いちからの開発となった。足まわりの特徴となるのはアダプティブダンパーシステムを採用した前後サスペンション。減衰力を自在にコントロールすることで、走行するシチュエーションに合せて最適なダンピングを得られる。

 エンジンは、2.0リッター直列4気筒直噴ターボの「VTEC TURBO」となる。最高出力は歴代TYPE-Rで最高の310PSで、最大トルクは400Nm。0-100km/h加速は5.7秒で、最高速は270km/hをマークする。TYPE-Rとしては初のターボモデルとなるが、ターボ化は開発当初から考えられていたことで、ターボによるエンジンフィーリングのマイナス要素は一切ないという。高回転域はVTECにより優れたレスポンスを実現し、低中回転域のトルクをターボが補うという考え方になるからだ。

 シビック TYPE-Rの予約は欧州で間もなく始まるそうで、価格は国によって異なるが、約3万5000ユーロ。生産されるイギリスのスウィンドン工場では、すでに量産モデルがラインに流れているそうで、デリバリーされるのを待っている状態だという。気になる国内への導入だが、今回のジュネーブモーターショーでは正式な回答がなかった。だが、間違いなく導入するようで、時期と価格を検討しているようだ。